私は愛されていた、
私は愛されていた。きっと。それは嘘ではない。
だって、4人で遊園地に行った事あるね。
だって、4人で海にキャンプ行った事あるね。
あの時の笑顔の中には、本物の笑顔だってあった。
私は愛されていた。きっと。それは嘘ではない。
だって、
休みなく働く母親は毎日ご飯作ってくれたの。
でも、家族6人揃ってご飯を食べたことなんて、
数え切れるくらいだったね。
私は愛されていた。きっと。それは嘘ではない。
ただ、みんながバラバラだった。
歯車が揃う前に、
「家族」という形になってしまっただけなの。
私は愛されていた。きっと。それは嘘ではない。
ただ、少しばかり余裕がなかったんだね。
ただ、少しばかり不器用だったんだね。
ただ、すこしばかり無神経だったんだね。
私は愛されていた。きっと。それは嘘ではない
でもね、子供が子供を育てちゃったらね
ダメだということ、先祖みんなに告げたい。
私は愛されたい。
子供のように。
子供のように抱きしめられ、守られたい。
毎日帰ると「おかえり」って言ってくれる人が居ることが、少しばかり羨ましかったよ。
下校中どこかの家から流れる、美味しそうな甘い香りは今でも忘れないよ。
休日も仕事に向かう母親に
「(私は強いから泣かないの!偉いでしょ!)」
と思いを秘め、笑顔でバイバイ言って、
23時になっても帰ってこない母親のことを思い
1人布団で泣いていたこと、知ってた?
私が朝家を出た後起きて、私が就寝した頃帰ってきていた父親。
顔を合わせると不機嫌や舌打ち、私達から距離を置くの、怖かったよ。
けどさ、
さりげなくプリキュアのおもちゃをテーブルに置いて行ったり、
興味のない競馬場にお出かけした時も、
顔色伺いながら嫌われては居ないという事に
少しだけ安心したんだ、嬉しかったんだよ。
ごめんなさい、誠に勝手ながら、私はこんな娘になってしまったこと、心から謝りたい。
行動で示したい。
ごめんなさいと空を飛びたい。
大丈夫だよ、私は臆病だから。
飛ぶ時は何も言えない。